痛みの原因はどこに?肋間神経痛!

胸の痛みというものを経験された方はどの程度いらっしゃるものでしょうか。もちろん、恋愛などの胸の痛みではなく、実際に痛みを感じる方です。胸部は特にケガをしやすいところでもありませんし、なかなか障害物にぶつかることも少ない箇所です。

その為、胸部に痛みが走ると内臓系の疾患であると思い込むことも少なくないと思いますが、今回ご紹介する肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)ように胸部(肋骨)を走っている神経が過去のキズや、身体の歪みストレスなどの影響で突然、痛み出すような疾患も世の中には存在します。

それでは肋間神経痛について詳しく確認してまいりましょう。

肋間神経とは?どこにあるの?その症状は?

はじめに肋間神経という組織についてご説明します。肋間神経とは主に肋骨と肋骨にある筋肉やわきの下、胸、背中などの動きや痛覚感覚などを司る神経なので当然、胸から脇など胸部に張り巡らされている神経です。

つまり外傷などによってこの神経が傷ついたり、病気によって圧迫・損傷することでズキッとする痛みや痺れが起こります。神経痛というのはリウマチのように関節に症状が出ることもあれば座骨神経痛という下半身の動きや感覚を司る神経に出る場合もあるのですが、胸部の場合、呼吸をするために常に動いているので痛む頻度が他の個所よりも多かったり、治りにくいという特徴があります。

ちなみに肋間神経痛というのは正式な疾患名ではありません。神経痛と呼ばれるものはほとんど同じですが、痛みやしびれが起こっている明確な病名がわからない場合は全て肋間神経痛という判断がなされます。

また肋間神経痛の痛みにはある程度の特徴があり、ズキッとする痛みを感じる場合もあればビリビリと刺激されているように感じたり、胸や肋骨そのものに鈍痛を感じる、呼吸がし難いと感じる、など症状は人それぞれです。

また血管や肺・心臓といった内臓の疾患とは異なり、痛みが起きるのはいつも一定の場所で、左右どちらかの肋骨に痛みが走り、両側が痛むことはあまりないという特徴を持っています。

なお、肋間神経痛は原因が特定できているものと不明のもので呼び名が異なり、原因が判明しているものを症候性肋間神経痛特定できていないものを特発性肋間神経痛というように呼びます。

肋間神経痛の原因は?

原因は痛みと同様に人それぞれです。胸部をぶつけたり、衝撃を受けて肋骨が骨折・ヒビが入って発症するといった外傷性の場合もありますし、ストレスなどの心因性神経の異常、あるいは病気による神経の圧迫なども考えられます。

ここでは主に神経の異常、病気による肋間神経痛の原因を取り上げていきたいと思います。神経と一言にいってもたくさんの種類があります、まして胸周りは内臓、呼吸器、消化器など大切な組織がたくさん集まっているので神経の数も下半身に比べて非常に多くあります。

例えば中枢神経、これは背骨の中を通っている脊髄にある神経で脳から発せられた電気信号を身体に伝え、身体の動き、感覚を司っている神経です。

次に末梢神経、これは中枢神経から伸びている神経で触れた感覚、視覚、聴覚を感じ取り信号として中枢神経に伝える役割を持っています。そして最後が自律神経です。これは昨今ストレスによって不調を来したり、夜、自然に眠ることが出来ない不眠症の原因としてよく知られていると思います。

自律神経の主な活動は心臓の鼓動、体温の調節、呼吸、食べ物の消化・吸収、排便といった私たちが無意識で行っている生命活動や、朝は自然に目が覚め、夜は自然に眠くなるといった睡眠、または緊張すると発汗・発熱してしまうのもこの神経の影響からです。

この神経が上手く働かなくなると今回ご紹介した肋間神経痛の他にも感覚麻痺、便秘、動悸・息切れ、情緒不安定など様々な疾患を生み出してしまいます。

次に肋間神経痛を引き起こす身体の病気についてですが、これは主に背骨に関係するものが多くみられます。例えば胸椎椎間板ヘルニア(背骨の骨と骨の間にあるクッションの位置がズレたり、潰れたりしてしまう疾患)や、変形性脊椎症(背骨の骨が変形したり、骨からトゲが生え神経や組織を傷つけてしまう疾患)、あるいは腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう:背骨がズレたり、変形することで脊髄を圧迫する疾患)などといった病気でも肋間神経痛は発症します

まとめ

今回は、胸部に痛みや痺れが現れる肋間神経痛について記事を書いてまいりました。今回は一部しか紹介できませんでしたが、この疾患を引き起こす原因は非常に多いことはお分かりいただけたかと思います。

最後に注意点ですが、この疾患は原因によっては命を脅かす可能性もありますので、症状が現れた時は、放置せずに専門家に相談するようにしましょう。