成長期は頑張り過ぎにご注意を!オスグッド!!

中高生が熱中するものといえば、最近ではSNSであったり、恋愛であったりと様々だとおもいますが、昔から変わらない人気を誇っているのがスポーツだと思います。野球、テニス、バスケ、陸上、サッカーと楽しく青春時代を過ごしてほしいと思いますが、やはりケガには注意していただきたいと思います。

もちろん、現在では過去にあったうさぎ跳びのように効果が薄く、ケガをしやすい練習方法が改善され、スポーツに科学的な見解を取り入れて練習方法や選手の体調管理をするなど目覚ましい発展を遂げています。

しかし、いくら科学的な練習を実践しても、他選手と接触したり、硬いアスファルトの上で練習することでケガをしてしまう方が一定数いらっしゃるのも事実です。今回は特に10~15歳あたりの年齢の選手には是非、気を付けていただきたい膝の疾患、オスグッドについて記事を書いていこうと思います。

このケガは膝に痛みを感じるのが特徴で、成長痛と似たような痛みを伴うのが特徴です。それでは一緒に確認していきましょう。

オスグッドとは?

監督者の方々はご存知だと思いますが、スポーツを始めたての方や、そうでなくても周りにオスグッドになった方がいなければ知る由はないと思いますが、比較的、有名なケガの名前で冒頭に示したように膝が炎症を起こして痛みを発生させます。

それではオスグッドを十分理解するために、まずは膝の構造から確認していきましょう。膝はふとももの骨とスネの骨の中間に存在しており、いわゆる膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨(しつがいこつ)が関節を守っています。

次にオスグッドにも関係するのでご紹介すると、ふとももの筋肉(ハムストリング)が伸縮することによって歩く、走る、踏ん張るなどの動きが可能になります。そしてハムストリングは膝蓋腱(しつがいけん)というスジによって骨とくっ付いているのですが、実は腱という組織は直接、骨とくっ付いているわけではありません。

腱と骨の間には骨膜(こつまく)という骨を包む膜が存在しており、オスグッドの場合はこの腱と骨膜との間で炎症が起こり痛みを発するようになります。その主な原因は練習や活動のしすぎによって、筋肉が酷使されたり、それに加えて成長期には骨が伸長していきますから、二重に負荷がかかることによって引き起こされます。

オスグッドの症状とは?

次にオスグッドの症状についてですが、初期症状では痛みはそれほど強くはありません。例えばものにぶつける、他人との接触、急な方向転換、ダッシュなど極端に負荷のかかる運動でのみ痛むといった状態です。

その状態であれば少しの期間、練習を中断して安静にしていれば自然と快方に向かうのですが、多くの場合、どんどんと上手くなることが面白かったり、試合が近かったり、友人と差をつけられるのが嫌で、などの理由で放置してしまいがちです。

ですが放置したまま練習を続けていると今度は膝が腫れ上がったり、熱を感じるようになり、それでもまだアイシングなどによってこらえて練習していると今度は屈伸運動や階段の上り下り、そして最終的には歩行も困難な状態に陥ってしまいます。

こうなるともちろん、練習はお休みするしかなくなり、回復に時間がかかったり、痛めた恐怖から変なクセがついてしまったり、その経験から過度な練習を嫌って、スポーツそのものが嫌いになってしまったりもしますので、是非、初期段階で休息をとってほしいと思います。

オスグッドを予防するには?

これは前述の通り、痛みや違和感を感じた段階で休息することはもちろん、普段からの心がけがとても重要になってきます。先ほど、筋肉を酷使することでオスグッドは起こると記述しましたが、これには意味があります。

筋肉は酷使を続けると硬くなる性質を持っているのです。硬くなるという事はより膝蓋腱が骨膜を引っ張るチカラが高まることになるので、オスグッドになりやすくなってしまいます。

では、どうするかというと、まずはキチンと準備運動をして筋肉をほぐしてから練習を開始すること、そして練習終わりには欠かさずにクールダウンすることです。大人の方はもちろん、ご存知だと思いますが、練習以外でも仕事で無理をしたり、寝不足のまま活動すると次の日に疲れが残るように、筋肉も疲労を蓄積するのです。

すると翌日の筋肉は疲労のために疲れやすく、いつもよりも早くだるさを感じるようになります。しかしその状態でさらに運動しているとさらに疲労がたまっていき、ますます硬さを増していくというわけです。

試合後のクールダウンは練習中に疲れた筋肉をほぐしてあげる効果がありますから、これによって疲労物質が流され、疲れを翌日にあまり残さないことが可能になる、というわけです。

まとめ

今回は10~15歳のスポーツ選手によく発症する膝の痛み、オスグッドについて記事を書いてまいりました。文中にもあるように特にこの時期のスポーツ選手は成長期に差し掛かり、骨が伸長していくことで、膝に負荷をかけやすい状態になっています。

また、まだ大きなケガなどをしたことがない選手がほとんどですから、ケガの怖さがよくわからずに練習を続けてしまうことも、オスグッドを引き起こす要因ともいえるはずです。

監督者はもちろん、保護者の方もお子さんが膝の痛みを訴えたり、足を引きずっている時は気にかけて、声をかけてあげるようにしましょう。