コンタクトスポーツや交通事故に多い外側側副靭帯損傷とは?

多くの方にとって、生活をする上で痛みがないことを望むのは当然のことだ思います。しかしながら例えばスポーツをしていて、交通事故にあって、あるいはデスクワークを長くすることで、など様々な理由からケガや不調が現れてしまう時があります。

今回は他人との不慮の接触や事故など、強い衝撃を受けることで膝の中にある靭帯が損傷してしまう靭帯損傷について記事を書いていきたいと思います。当然のことですが、肘や膝といった組織は肩や股関節のように前後左右に曲げ伸ばしをすることはできませんから、曲がらない方向に向かって衝撃がかかると切れてしまったり、傷ついてしまったり、といったことが起こります。

それでは膝の構造や靭帯損傷について詳しく確認してまいりましょう。

外側側副靭帯損傷とは?

ラグビーや柔道といった他の競技者と激しくぶつかり合うスポーツや交通事故などで起こりやすい膝関節のケガの1つに、「外側側副靭帯損傷」があります。

そもそも「外側側副靭帯」とは膝関節や肘関節で2つの骨と骨とを繋ぐ繊維組織の束(靭帯)のことで、それぞれの関節の動きを制限し安定させる役割を果たします。膝関節の場合大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)を中心に4方向に4本の靭帯が存在しており、これらが骨と骨とを繋ぐだけでなく各方向に強すぎるストレスがかかった際に、関節が異常な方向へ曲がってしまわないよう守っているわけです。

このうち「外側側副靭帯」は膝のお皿の外側を通っている靭帯で、ひざ下が内側に入り込み過ぎないよう関節の動きを制限していますが、逆に膝の内側から外方向へ強いストレスが加わると、その衝撃に耐え切れず損傷してしまいます。これが、「外側側副靭帯損傷」です。

外側側副靭帯損傷の原因

外側側副靭帯損傷はごく一般的な日常での行動で起こることは稀で、大抵の場合膝の内側から外方向への強いストレスをかわし得ない、あるいは緩和させられない状況で起こります。例えばオートバイに乗っているときに右側から車と接触した場合、左足の膝は内側から外方向への強い衝撃を受けることになりますが、オートバイに乗っているために股関節が固定された状態にあるため、回旋して左ひざにかかる衝撃を緩和することができません。このため強いストレスがそのまま外側側副靭帯にかかり、伸びきって裂傷・断裂を起こしてしまうのです。

スポーツで起こる外側側副靭帯損傷も同じことで、例えばラグビーで膝の内側にタックルを受けたり柔道で足払いを受けたりしたときに、膝の内側から外方向への強い衝撃により外側側副靭帯が許容範囲を超えて伸ばされてしまい、損傷してしまいます。

このように外側側副靭帯損傷膝への強い衝撃が原因であるため、靭帯だけが損傷するということはほどんどなく、半月板損傷や十字靭帯損傷などを伴っている場合がほとんどです。また強く引っ張られることにより、靭帯と付着している骨が剥がれてしまう剥離骨折を伴うこともあります。

従って外側側副靭帯を損傷するとそれ自体膝の外側に強い痛みを感じますが、同時に半月板損傷や十字靭帯損傷、剥離骨折などによる痛みを伴うことが少なくありません。靭帯が損傷するとその部分を治癒しようと血管が増えるため、痛みと共に腫れ・炎症が生じることもあります。

まとめ

今回はコンタクトスポーツや交通事故など不慮にかかる強い衝撃によって膝の靭帯を損傷してしまう。外側側副靭帯損傷について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、この不調は普段の生活ではなかなか起こりえないものですが、ちょっとした事故や衝撃でも起こる可能性はあります。

また靭帯を損傷すると自然治癒は望めませんので、十分に注意が必要です。もちろん交通事故や他人との接触を全くなくすことはできませんが、例えば日ごろから運動をして筋肉を柔軟に保つ、あるいは運動でなくても以下のようなストレッチを生活に取り入れることで靭帯損傷のリスクを軽減することもできますから、是非、試してみてください。

外側側副靭帯損傷の場合、すべての下肢筋肉のストレッチが必要で、様々なストレッチを行います。膝だけでなく足首や股関節など、下肢のストレッチを全般的に行います。脚の筋肉のなかで膝だけに関わる筋肉というものはないので、脚全体のストレッチが必要になります。

  1. 4の字ストレッチ(臥位)

①仰向けに寝た状態で片方の膝の上に足首を乗せます。

②ゆっくりと腿とお腹を近づけましょう。両手は腿の後ろに回します。

③おしりから太ももの外側にかけて伸ばします。背中は丸めないように気を付けましょう。

④ある程度伸びを感じたら(4~6程度)、より腿とお腹を密着させてさらに伸ばします。(7~8程度)

⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。

⑥反対側も同様におこないます。

引用:グロングマガジン

https://grong.jp/magazine/lower-body-stretch-menu/