胃もヘルニアになる?!食道裂孔ヘルニアとは

ストレスは胃に来るという言葉が昔からありますが、私たちはもちろん胃や内臓の動きを自分でコントロールすることはできません。これらは昨今ではメディアでもよく聞く、自律神経と呼ばれる神経が動きをコントロールしています。

自律神経は身体をリラックスさせて休ませるときに活発化する副交感神経と日中身体を動かす時に使用される交感神経の二つがありますが、ストレス下に入るとその刺激によって副交感神経は胃酸を過剰に分泌させるように指示をし、交感神経が胃の血管を収縮させることによって血流を減少させ、胃の粘膜分泌を少なくする働きをするようになり、結果として胃を守る粘液が不足する代わりに胃を攻撃してしまう胃酸が増え、胃に穴が開いてしまったり胃の内部で炎症を引き起こすようになるので、ストレスは胃に来るという言葉出来上がりました。

今回はストレスとは直接関係がありませんが、生活習慣や食生活、あるいは肥満、喫煙などに胃が食道に飛び出してしまう食道裂孔ヘルニアについて記事を書いていきたいと思います。食道裂孔ヘルニアは重症化すると逆流性食道炎などを引き起こし、十分に食事がとれなくなったり、常に内臓の不快感が現れるようにもなり生活に悪影響を与えてしまうことがあります。それでは詳しく確認していきましょう。

食道裂孔ヘルニアとは?

椎間板ヘルニア」で有名な「ヘルニア」とは、本来あるべき位置に収まっているべき臓器の一部が外へ飛び出してしまっている状態で、これは腰や鼠径(太ももの付け根)以外に横隔膜部分でも起こり得ます。

横隔膜とはそもそも膜状になった筋肉で、この動きに合わせて肺に空気が入って膨らんだり、逆に空気が出てしぼんだりします。肺自体には筋肉がないため、代わりに横隔膜が伸縮することで呼吸をコントロールしているわけですね。

このため横隔膜は肺や心臓が入っている「胸腔」と呼ばれる部分の下、胃や腸などが収まっている「腹腔」と呼ばれる部分との境目に存在しているのですが、口にした食べ物が胸腔を横切って胃に達するために、ここを食道が通過しなければなりません。このため横隔膜には食道を通す穴食道裂孔」が空いているのですが、この穴から本来横隔膜の下に収まっているべき胃の一部が飛び出してしまうことを、「食道裂孔ヘルニア」と言うのです。

食道裂孔ヘルニアには胃のどの部分が飛び出しているかによって、主に3種類に分けられます。

最も多いのは食道と胃の接合部分である「噴門部」が横隔膜の上に飛び出しているヘルニアで、これを「滑脱型食道裂孔ヘルニア」と呼びます。これに比べると症例は少なくなりますが、噴門部は腹腔部分に収まっているものの胃の一部が横隔膜の上に押し出されて食道と並んだ状態になっている「傍食道型食道裂孔ヘルニア」、また噴門部と食道の一部の両方が横隔膜より上に飛び出している「混合型食道裂孔ヘルニア」というものもあります。

食道裂孔ヘルニアの原因

食道裂孔ヘルニアの直接の原因は、食道裂孔部分で本来しっかりと固定されているべき食道が緩んでしまっていることで、その緩みの原因は多くの場合、その下にある腹部の圧力が高くなって胃が押し上げられてしまうためと考えられます。ではなぜ腹部の圧力が高くなってしまうのかと言うと、肥満により内臓脂肪が増えること、また妊娠によって、あるいは出産後も腹圧が戻らないことが原因となるようです。そのほか喫煙や気管支喘息、慢性気管支炎も腹圧を上げてしまいますし、前かがみの姿勢が癖になっている人も腹圧が高くなると言われています。

また腹圧の問題だけでなく、食道裂孔自体がヘルニアを起こしやすくなっているというケースもあります。例えば生まれつき食道裂孔が広がりがちな人もいますし、加齢により横隔膜の筋肉が緩んでしっかりと締め付けることができなくなり、食道裂孔が広がって噴門部や胃が飛び出してしまうこともあります。

まとめ

今回は胃が食道にまで飛び出してしまう食道裂孔ヘルニアについて記事を書いてまいりました。文中にもありますが、食道裂孔ヘルニアは主に腹圧があがる肥満、妊娠、喫煙、生活習慣、食生活などによって起こります。

胃の不快感がいつまでも取れないと仕事、学業、家事はもちろん他人と話すことも億劫になってしまう事がありますから、日常的に摂取する食材や生活習慣には十分に気を付けるようにしましょう。それでは最後に逆流性食道炎の症状が今、起きていないかチェック項目をご紹介して終わりたいと思います。

最近、頻繁に以下のような症状が起こる方は逆流性食道炎並びに食道裂孔ヘルニアを疑い、なるべく早く専門家にかかるようにしましょう。

逆流性食道炎の症状チェック 代表的症状は「胸やけ」「呑酸」

まずは自覚症状がないか、逆流性食道炎の症状をチェックしてみましょう。

症状チェック

☑ ジリジリと熱く焼けるような胸やけ

☑ 酸っぱい液体が上がってくる感じがする<呑酸(どんさん)>

☑ ゲップとともに苦い液体(胃酸)が上がってくる

☑ 胸が詰まる、締め付けられるような感じがする

☑ のどの違和感・のどの痛み・口内炎

☑ 食べ物が飲み込みにくい・つかえる

☑ 声がれ・咳・喘息

逆流性食道炎の代表的な症状は「胸やけ」と「呑酸(どんさん)」です。

みぞおちの上の辺りがジリジリと熱く焼けるような不快感や、酸っぱい液体や苦い液体がのどまで上がってくるなどの自覚症状があります。

引用:夢中になれる明日 kracie

URL; https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=8191