スポーツの疲労は腰にたまる?腰椎分離症!

スポーツも仕事も同じですが、長く続けることはとてもいい事です。業務が理解できるようになってご自身にとってのスキルアップにつながったり、スポーツも続けていくことで上手になっていき、よりその競技を楽しめるようになります。

しかし、長く続けるということは身体的に言えば同じ作業を繰り返すことになり、その作業特有の箇所に負荷を与え続けることにもなります。例えば長距離トラックの運転手や座りっぱなしのデスクワーカーの方々はその負担が腰に来ますし、スポーツで言えば卓球もやはり腰に負担が、サッカーであれば股関節、野球なら肩といった具合です。

今回はそんな中でも大人はもちろん、スポーツ好きの子供に起こりやすい腰椎分離症について記事を書いていこうと思います。この疾患は背骨を構成する一つ一つの骨が分離してしまうことで、様々な不調を生み出すきっかけにもなる疾患なので、心当たりのある方はぜひ、改善できるようにしましょう。それでは始めてまいります。

腰椎分離症とは?

腰椎という言い方は背骨の一つの箇所を表しています。背骨は脊椎という言い方もされますが、これは椎体という24個の骨とその骨の間にある椎間板という組織から成り立っています。

そしてその椎体の中心には穴が開いており、ここに脳からの電気信号を通す神経が通っているわけですが、神経はとても大切なものなので、それを守るように脊柱管という組織が周りを囲っています。

また、椎体同士は間に椎間板を挟んでいるだけでは不安定なので、椎体同士をつなげる椎弓という骨によって繋がり、今回、ご紹介している腰椎分離症は度重なる負荷によってこの椎弓が外れてしまうものです。

さらにいえば、章の冒頭にもあるように、脊椎は箇所によって呼び方が異なり、首周りを頸椎、胸あたりを胸椎、そして腰の辺りにあるものを腰椎という呼び方をするのです。この分離症はもちろん、他の箇所でも見られるものですが、やはり動くたびに使用されたり、負荷がかかりやすいために腰椎で起こることが一番多いとされています。

腰椎分離症の症状とストレッチ

サブタイトルには症状と記載がありますが、実は腰椎分離症の初期状態で症状がみられることはマレなのです。骨にはほとんど痛覚がありませんから、椎弓同士が分離することでは自覚症状はあまりありません。

例えば椎弓が外れた状態で更なる負荷をかけ続けることによって椎体同士がズレることを腰椎すべり症と呼びますが、この状態になると間欠跛行(かんけつはこう)といって歩いていると痛みやしびれが出てきて長時間歩くことが困難になったり、腰痛が発生することで始めて症状を認識できます。

あるいはそのズレてしまった椎体がさきほど登場した脊柱管と神経を圧迫してしまう、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)にかかるとすでに紹介している間欠跛行や腰痛はもちろん、神経が圧迫されることになるので、下半身にも痛みやしびれといった症状がみられるようにもなります。

また、それらの症状は大人に発症することももちろんですが、実は身体がまだ出来上がっていない子供に起こることがよくあり、特に普段から肉体を酷使するようなスポーツをしている子供に多く見られます。

もちろん、どのようなケガも起きて欲しくはありませんが、今回はそんな分離症を予防するストレッチをご紹介します。

分離症の予防に良いストレッチはありますか?

分離症になる子供の多くは身体が硬く、前屈しても手が床に届きません。これは、太ももの後ろの筋肉「ハムストリングスが硬いためで、腰椎に負担をかけてしまう原因の一つとなっています。ハムストリングスを柔らかくするストレッチ方法は沢山ありますが、中でも「ジャックナイフストレッチ」と呼ばれるストレッチが有効です。

しゃがんで、足首をしっかりと握り、胸と太もも前面をぴったりとくっつけます。胸と太ももが離れないようにしたまま、膝を出来るだけ伸ばして10秒間保ちます。これを3~5セット、朝晩2回行います。とても体の硬い子供でも、比較的短時間に手の平が床に付くようになります。

引用:腰痛の専門医による安心アドバイス

まとめ

今回は背骨を形成する骨である椎体を繋ぐ椎弓が、度重なる負荷によって外れてしまう腰椎分離症について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、職業やスポーツによってはある一定の箇所に負荷がよくかかるもので、特に腰は要注意の箇所です。

腰は行動の基点になることはもちろん、座りっぱなしでいることでも痛みを発します。その理由は私たちが同じポーズをずっと続けていると筋肉が痛くなるように、身体は同じ姿勢を繰り返していると筋肉が疲弊していき、硬くなり、例えばそれによって血流が悪くなることで疲労物質が流されなくなって、さらに疲弊していき、それが慢性的な腰痛の原因になったり、ギックリ腰の原因にもなるのです。

スポーツを頑張ったり、仕事柄いつも同じ姿勢でいなくてはいけない方はさきほどのストレッチを実践したり、簡単な伸びを定期的に行うことでも効果を発揮しますので、是非、気にかけてあげてください。