じつは身近に影が潜んでる?疲労骨折!

世の中には大変多くの不調があると思います。例えば一日中、立ちっぱなしであったり、歩き続けで足が痛かったり、あるいは鼻水が出たりぼーっとしたりと風邪の諸症状が出たり、私たちの身近な行動には不調を来す原因がたくさん隠れています。

しかし上記のようにすでに経験があったり、季節の変わり目などによく訪れる症状というのはその対処法もよくわかっている為、疲れてきたら休んだり、風邪っぽくなったら早退して薬を飲んだり、慌てふためくことはありません。

また身体の痛みも同様で運動したから膝が痛くなったり、重いものを持ったから腰が痛くなったりと様々ありますが、やはりそれらも準備運動をしたり、重いものは一気に運ばないなどの対処法の心得がありますが、なかには気づかないうち負荷が溜まり、ある日、痛いとまではいかないが違和感を感じ、そのまま放置して何かの拍子に激痛に代わる不調もあります。

今回ご紹介する疲労骨折はそんな種類の痛みが特徴で、小さいうちは違和感で済むけれど後に大きな問題を引き起こす可能性がありますので、もしも当記事を読んで、心当たりのある方は出来るだけ早めに専門家に相談しましょう。それでは記事をはじめます。

疲労骨折とは?

漢字の意味通りですが、疲労がたまることによって発生する骨折のことです。日常的に身体を酷使するスポーツ選手もさることながら重たい荷物を運ぶ仕事をしていたり、あるいは運動不足の方がささいな理由で動いた時に起こることもあります。

冒頭でも触れている通り、初めから激痛を感じる通常の骨折やケガなどとは異なり、なんだか動きずらい、痛いとまではいわないけれど違和感を感じる、そんな初期症状からはじまります。これはもちろん、ご自身で判断がつかないだけでなく、レントゲンをとってみてもわからないような微細な骨折もあります。

というのも人間の身体に出る痛みというのは非常にあいまいなもので、脇腹が痛いからといって筋肉や骨に異常が見られず神経系の異常からくるものと判断されるものもあれば、骨膜といって骨の表面についている薄い膜が炎症を起こしていることで痛みが出たりと原因が色々と考えられるのです。

あるいは痛みの度合いもあいまいです。例えば骨が折れていた場合、診断では重症と判断されるわけですが、骨には痛覚がほとんどありませんから、きれいに折れている骨折はあまり痛くありません。反対にギックリ腰や腰痛のように凝り固まった筋肉によって痛みが出ているものは重症とはいえなくても往々にして激痛が走るものです。

また昨今では精神的に溜まった疲労やストレスといったことでも腰痛や身体の節々に痛みを感じることがわかっており、やはり身体の違和感ぐらいではなかなか疲労骨折を見つけることは難しいと言えます。

疲労骨折が起きやすい骨

さて、様々な要因によって身体に痛みが出ることを記述してきましたが、痛みと同様に疲労骨折にも様々な原因があります。例えば閉経期を迎えた女性はホルモンバランスの乱れから骨が脆くなり(骨粗しょう症)やすく、これによって疲労骨折や圧迫骨折を起こしやすくなりますし、同様に自分の骨格よりも何倍もの脂肪を付けている肥満体系の方も疲労骨折や圧迫骨折を起こしやすくなります。

あるいは骨格標本をご覧になって事がある方は多いと思いますが、人間の骨には太いものから細いものまで種類があり、細い骨のなかでも重要な役割を持っていたり、スポーツや日常的な衝突に巻き込まれやすい骨があります。

今回はそんな疲労骨折を引き起こしやすい骨の種類を確認してみたいと思います。

1.中足骨の疲労骨折(疲労骨折全体の約35%)

中足骨は、足の裏を形成する5本の骨です。ランニングの多い競技(陸上の長距離選手)や、サッカー、ラクビ―、バスケットボールなど素早い動きを要求される競技、爪先立ちやジャンプ動作の多いバレエダンサーや新体操選手に多く見られる疲労骨折です。

2.脛骨の疲労骨折(疲労骨折全体の約27%)

脛骨の疲労骨折は、ジャンプ競技(バレーボールやバスケットボール)、ランニングの多い競技(陸上の長距離選手やサッカー、野球)、ジャンプの多い男性ダンサーなど、すねの骨に圧力がかかる競技に多くみられる疲労骨折です。

3.肋骨の疲労骨折(疲労骨折全体の約12%)

肋骨の疲労骨折は上部と下部で異なりますが、下部肋骨の疲労骨折は主に体幹のひねり動作などで起こります。ゴルフややり投げ、体操競技に多い疲労骨折です。また咳のしすぎで生じる場合もあります。上部肋骨、特に第一肋骨の疲労骨折はウェイトリフティングやベンチプレスなどのウェイトトレーニングでも生じることがあります。

引用:Dr.KAKUKO スポーツクリニック

このサイトでは主に行われるスポーツの種類によって起こりやすい疲労骨折が分類されていますが、前述のようにスポーツを日常的に行っていなくても疲労骨折は起こりますし、年齢的に骨が脆くなってきても起こります。

疲労骨折は初期段階では痛みが少ないのが特徴ですが、十分に治りきらないまま日常を営んでいるとふと、大きな衝撃があった時に骨折しやすいですし、疲労骨折に限らず身体の違和感放置してもいいことはありません。

将来のケガや痛みを事前に防ぐためにも気になることがあれば専門家に相談するようにしましょう。