めまいの原因はここに?前庭神経炎!

普段、健康な身体で日常生活を送っているとあまり気になりませんが、足が痛い、ひざが痛いと感じると痛みのない生活はなんて素晴らしいものだろうかと、どなたも感じることだと思います。

また痛みに限らず、ストレスなどが原因で起こる自律神経の失調精神的な疲労によって不眠症になってしまったり、不眠症が続くとその影響からうつ病を発症してしまったりと痛みに限らず健康な生活を脅かす疾患というのは大変多く存在します。

そして今回のテーマになっている「めまい」もその一つです。めまいが起こると仕事や家事に集中できなくなったり、重症化すると立っていることもできなくなり、生活に大きな支障が出てしまいます。

めまいを引き起こす疾患というとジャニーズジュニアの一人に発症したメニエール病などが有名かもしれませんが、前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)もその一つです。それでは記事を始めてまいります。

前庭神経炎とは?

私たちの耳という組織には二つ大きな役割があり、一つは音を聞き取ること、もう一つはバランスを取ることです。音が聞こえる仕組みを簡単に説明すると、まずいわゆる耳が音という振動を受け取り、そこから鼓膜を通して中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)と呼ばれる耳の奥にある組織に伝わっていきます。

ここにはリンパ液が溜まっており、その中に蝸牛(かぎゅう)という組織があります。この蝸牛が振動として伝わってきた音を科学信号へと変換させ、そこから脳へ伝わっていき、音として認識できるようになります。

次にリンパ液が詰まっている内耳には蝸牛の隣に半規管前庭という組織があり、これがバランス感覚を司っています。さらに前庭からは脳へと続く前庭神経が通っており、今回のテーマになっている前庭神経炎はこの神経が炎症を起こしてしまうことでめまいを引き起こすという疾患です。

ちなみに有名なメニエール病はリンパ液が過剰に分泌されるようになって内耳が腫れあがり、半規管に影響を与えてめまいを引き起こす疾患ですので、同じ症状が出る疾患でも問題になっている箇所が違うというわけです。

前庭神経炎の症状は?

これは前述の通り、主な症状はめまいです。しかも回転性のめまいなので目の前がぐるぐると回っているように見え、めまいに伴って吐き気や嘔吐といった症状が出ます。またその症状は一過性のものではなく数日間続くことが多いです。

しかし、一度めまいが発生するとその後に大きな発作は起きません。もちろん、めまいによって引き起こされたふらつきなどが残る場合はありますが、ずっと寝たきりになってしまうことはありません。

またメニエール病との大きな違いは難聴などを引き起こさない点です。メニエール病は先ほども説明したようにリンパ液によって内耳が圧迫されることで引き起こされますので、まるで水に潜っているような耳閉感(じへいかん)があったり、重症化するとそのまま難聴が残ってしまうこともあります。

その他にメニエール病は30代~40代働き盛り世代によく疾患が現れることから、ストレスや不規則な生活、飲酒、喫煙、運動不足などが原因で発症するといわれていますが、前庭神経炎風邪などの後に発症することが多く、ウィルスによって炎症が起こっていると考えられています。

またメニエール病・前庭神経炎に続いて他にも良性発作性頭位めまい症(りょうせいほっさせいとういめまいしょう)という疾患がめまいを引き起こすのですが、こちらと前庭神経炎の違いは後者はじっとしていてもめまいが続きますが、前者はじっとしていると快方に向かっていきますので、ご自身の症状がいずれかに当てはまった場合、判断の材料にしてもいいと思います。

まとめ

今回は耳の奥にある前庭神経が炎症して回転性のめまいを引き起こす前庭神経炎についてメニエール病などと比較しながら記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、一過性のめまいであっても前庭神経炎は安静にしていても改善が難しく、発症している期間はお仕事や家事をお休みしなくてはいけなくなります。

またこの疾患には悪くなりそうという前兆がなく、ある日突然に症状が現れますので、その時に慌てないよう、名前はしっておいた方がいいと思います。

掛かったことがある方はよくお分かりいただけると思いますが、めまいというのは一見すると健康そうにも見えてしまい、なかなかその症状を理解してもらうことが難しく、さぼっていると誤解されてしまうことがあります。

しかし、病は誰にでも起こる可能性があるものですし、いつ自分の身に降りかかってくるかもわからないものです。ご自身がかからないよう予防することも大切ですが、周りに苦しんでいる方がいた時は、痛みや症状理解してあげたいですね。

それでは、めまいに限らず、肩・膝・腰などの痛みにお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。