危険な子供の拒食症!思春期やせ症とは?

子どもの健康な成長を願わない保護者はいないと思いますが、かわいい盛りの幼児期を抜けて小学校・中学校・高校と進むにつれて徐々に親から自立するようになると一抹の寂しさを感じるものです。

もちろんそれは大人になる第一歩であるわけですが、恋愛、部活、勉強、趣味と様々な出来事に触れるようになると成功も挫折も経験するようになり、それがきっかけで何かしらの病気を発症してしまうことがあります。

今回ご紹介する思春期痩せ症もそういった人間関係や物事がうまくいかないストレスなどによって起こる精神の疾患で、放置・重症化していくと自殺やうつ病などの原因になることもありますので保護者の皆様には十分にご理解いただきたいと思います。それでは詳しく確認してまいりましょう。

思春期やせ症とは

今の飽食の日本では大多数の人が「太りたい」というよりは「痩せたい」と考えているものですが、この願望が極端に走り健康を損ねるほどに食事を制限してしまう人がいます。これを「拒食症」と呼びますが、特に思春期の子供が発症する拒食症のことを、「思春期やせ症」と言います。

拒食症は多くの場合、「痩せている人の方が美しい」という社会的認知ゆえに「キレイになりたい」という願望がもたらす結果ですが、思春期やせ症の場合、必ずしも「キレイになりたい」という願望そのものがきっかけとなるとは限りません。むしろ部活や勉強で挫折を味わったり、人間関係や進路の悩み、ストレスが引き金となることが殆ど。

これらの精神的ストレスに対する耐性ができていない思春期の頃は、この苦痛から逃れるためにダイエットに走り、体重計の数値が減るのを見たり他の人から「痩せたね」と言われたりすることで達成感を味わおうとするのです。加えて人の脳は身体の栄養不足という苦痛を和らげようと麻薬のような物質を分泌するため、一時的に気分が高揚し、辛いことにも取り組むことができるようになります。これらの効果から極端なダイエットを辞めることができず、健康を損なうほどの危険な症状に至るケースが多いのです。

思春期やせ症の症状

思春期やせ症に見られる最初の症状は、「食べ物を細かく分ける」「家族と食事をしない」「過剰な運動」などで、やがて極端に痩せてしまいひどい場合には標準体重の80%を切る低体重に陥ってしまいます。こうなると周囲からは不健康なほど痩せていると言われますが、本人は「まだまだ太っている、もっと痩せないと」と間違った認識に囚われているためダイエットをやめることができず、心身に様々な不調が現れるようになります。

身体的な症状としては、子宮や卵巣の発育低下による初潮の遅れや月経不順、無月経、成長ホルモン分泌の異常による低身長骨粗鬆症などが挙げられます。また身体が飢餓状態に陥っていると自律神経が異常をきたし、本来60~100回/分の脈拍数が60回未満/分になるという脈拍数の低下を招きます。脈拍数の低下は心臓疾患や貧血を引き起こすこともあります。

また精神的な症状としては、集中力や判断力の低下睡眠障害やうつ、またそれに伴う自殺願望などが挙げられます。これらの身体的・精神的症状ゆえに、一般の健康な食生活を送っている人と比べ、思春期やせ症を含めた拒食症罹患者は約10倍もの死亡リスクを抱えていると言われているのです。

まとめ

今回は思春期の青少年に多い、思春期痩せ症について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、この疾患は精神的なストレスや対人関係の悩みが引き金となって起こり、周りの方から見れば異常なほどに体重や見た目気にしているように感じます。

けれど実際には見た目だけでなく行き過ぎてしまうと命を危険にさらしてしまう病気であることもご理解いただきたいと思います。またその予防方法は多岐にわたりますが、例えば下記のような記事も参考にしてみてください。

体の症状が進むと、危険な状態になります。神経性やせ症の人の死亡率は、一般よりも 5.9 倍。衰弱死や自殺につながってしまいます。

命の危険までには至らなくても、治療が遅れると、何度も繰り返す場合や、他の摂食障害に移行する場合があります。食べ物を万引するなど行動の問題が出る人もいます。大人が早く気付いて、治療につなげることが大切です。

では、親がわが子の症状に気付いたら、どうすればいいのでしょうか。「もっと食べなさい」は行き過ぎると逆効果だそう。

「本当は食べたいけれど、食べられない病気なので、家族が『もっと食べなさい』と説得すると、『もっとやせなきゃ』と必死になっている子どもとけんかになってしまいます。ご飯を食べなくなったり、やせによる体の症状が出てきたら、まずはかかりつけの小児科医に相談してください。イライラや集中力の低下も低栄養によるサインかもしれませんので、注意してください」

引用:ココハレ

https://kokoharekochi.com/article/illness-injury/n45783/