頑張り屋さんは要注意?シンスプリント!

学生時代に部活に打ち込んだという方は多くいらっしゃると思います。部活動は社会に出てから学べる上下関係であったり、一生懸命に頑張り、それを三年間継続させるという事も学ぶことが出来ます。

もちろん部活動をすることが学生の全てではありませんし、それによって人生が変わってしまうわけではありません。ですが、ただ一つ、部活中ケガには気を付けた方がいいというのは変わらない事実であろうと思います。

スポーツを生業にするということであればその後、何年間もスポーツに打ち込むことができますが、高校生で部活をやめてしまう方にとっては長くても六年間しかありません。であれば出来る限り努力が結果に結びつくようにしてあげたいものですが、ケガをし、さらに無理をしてしまうと早々と引退してしまわなければなくなったり、大切な試合に出ることが出来なくなる時もあります。

今回はそういった学生時代にかかりやすい膝下の疾患、シンスプリントについて記事をかいいていきたいと思います。もしも、ご自身のお子さんが足を引きずっていたり、痛みを覚えていると感じた際はなるべくはやく専門家に相談するようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

シンスプリントはどんな症状?

シンスプリントは主に膝の下にジンジンとした鈍痛を引き起こす疾患で、足をよく使うスポーツ選手や上級生に混ざって自分の身体以上にを酷使してしまう成長期のお子さん、あるいは腱やスジが衰えてきた高齢者などにも起きます。

スネは脛骨(けいこつ)という大きな骨があり、この骨を覆う様に前面に前脛骨筋(ぜんけいこつきん)長趾伸筋(ちょうししんきん)という二つの筋肉、そして裏側にはいわゆるヒラメ筋と呼ばれる筋肉が存在します。

そのうち、前脛骨筋、長趾伸筋などを酷使する中・長距離ランナーやサッカー、バスケットボール選手などに起こりやすい疾患がシンスプリントです。こういったスポーツに端を発する障害をスポーツ障害と呼びます。

では大人ばかりではなく、なぜ成長期の子どもに起きやすいかというとそれは成長期だからです。成長期というのは身体全体が徐々に大きくなるわけではなく初めにが伸長していきます。つまり骨に合わせて伸長していく筋肉は常に引っ張られている状態にあります。

筋肉は疲労が蓄積すると硬くなる性質を持っていますので、大人の方がシンスプリントになる理由は練習を頑張りすぎることによって筋肉に疲労が蓄積し、その結果、筋肉が凝り固まって筋肉と腱を繋いている骨膜に炎症が現れます。

一方、成長期の子供は骨が伸長していきますから常に筋肉が引っ張られており、その状態でさらに運動をすることで筋肉が緊張して骨膜に症を起こすので大人よりもシンスプリントになりやすいと言えます。またシンスプリントはよく成長痛と勘違いされてがちですが、実は成長痛というのはなぜ起こるのかよくわかっておらず、成長期におこる下半身の痛みを総称してそのように呼ばれているのでシンスプリントと同じようにみられることが多々あります。

シンスプリントを予防するには?

シンスプリントの予防には運動前後に筋肉をほぐしてあげることが大切です。もちろん、それはスポーツ選手に限りません。成長期には骨の伸長だけでなく、筋肉伸びていますから、常に引っ張られている筋肉をほぐしてあげることで成長痛を予防することもできます。

また以下にはシンスプリントを予防するためのストレッチをご紹介しますので、膝下の痛みにお悩みの方はぜひ試してみてください。

シンスプリントの予防

下肢の柔軟性改善

柔軟性低下筋に対してマッサージ・ストレッチング、

【ふくらはぎ】

方法:①膝を伸ばした状態で床に座ります。

②ふくらはぎの下にボールを入れ、反対側の脚を組むようにすねに乗せます。

③膝の曲げ伸ばしを行いボールを転がしてほぐします。

【足裏】方法:①椅子に座り、足裏にボールを置きます。

②膝を屈伸させ、ボールを転がして足裏をほぐします。

*やりすぎは痛みの原因にもなりますので、1回1分~2分程度を目安に行いましょう。

【方法】①座位、立位で平らな床に足底を接地させる。

②つま先を伸展(反らし)ながら足底のアーチを挙上させます。

③足底のアーチを保持し、ゆっくりとつま先を床に接地させます。

【目的】母趾外転筋の機能向上

【ポイント】①保持時間を徐々に長くしていきます。(6秒〜1分程度)

②アーチ保持する際は足趾だけを低下させることがポイントです。アーチは低下しないように保持します。

③座位で行えるようになったら、立位→片脚立位の順に行います。

【方法】①タオルの上に足部を置きます。②足趾(足の指)を曲げ、タオルをたぐり寄せます。

【目的】長母趾屈筋の滑走性改善

【ポイント】大きく足趾(足の指)を動かすことがポイントです。

引用:都立大整形外科クリニック

URL: https://ar-ex.jp/toritsudai/542004348424/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B2%BB%E3%81%97%E6%96%B9

筋肉は筋線維と呼ばれる細い繊維がまとまって出来ているわけですが、筋肉は直接、骨と繋がっているわけではなく、が骨と筋肉を繋いでいます。また腱と骨も直接ついているわけではなく、その間に骨膜と呼ばれる薄い膜があり、炎症が起きるのは主にこの骨膜です。

まとめ

今回のテーマになっているに起こるシンスプリントや腓腹筋断裂(ひふくきんだんれつ)というふくらはぎの肉離れ、テニスやゴルフをやり過ぎることで起こる肘の痛み(テニス・ゴルフ肘)、卓球やバスケなどによる腰痛、などです。

こういったスポーツに関わる疾患はまとめてスポーツ障害という呼ばれ方をするのですが、その多くは筋肉・骨・靭帯・腱(けん)などを使いすぎることによって起こります。

スポーツを始めると当初は不慣れなために、力加減や身体の使い方がわからないのでチカラを入れすぎて筋肉痛が起こります。筋肉痛が起こると身体は痛みを感じないように筋肉量を増やして対処するのですが、増強された筋肉は次に筋肉と骨をつなぐ腱や骨と骨をつなぐ靭帯を過剰に引っ張ってチカラを出すようになり、それらの部分に炎症を引き起こす結果になります。

またスポーツ障害はそれらの箇所が硬いことでも起こります。例えば準備運動をしないまま激しい運動をすることもそうですが、筋肉は疲労していくと硬くなる性質を持っていて、柔軟性がない筋肉はやはり腱や靭帯を過剰に引っ張るようになるので、そういった理由からも起こります。