腕の酷使に要注意?テニス肘!

1958年にブームが起こり現代まで長い間、学生、社会人問わず人気のあるスポーツといえばテニスです。最近でもテニスが漫画やアニメになっているので、興味を持って始めようとしている方も多いのではないでしょうか。

学生の部活にテニス部を選ぶ方もいれば会社の同僚とコミュニケーションをとり、運動不足の解消にやっている方もいらっしゃるでしょう。テニスは他のスポーツに比べれば他人との身体の接触もありませんし、身体を適度に動かし汗をかけるのでケガをして仕事に穴をあけてしまうのが怖い、社会人の方々にもお勧めのスポーツです。

しかしそんなケガが少ないテニスでもラケットを振ったり、バックハンドの練習をしすぎてしまうことで痛めてしまう部位が存在します。それが今回のテーマでもあるです。正式には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」という呼び名ですが、巷ではテニス肘と呼ばれる方が多いです。それではどのような疾患か確認していきましょう。

テニス肘とはどんな疾患?

これは手首に負担のかかる動作を行い続けることで手首から肘までの前腕炎症が起こり、痛みを発生させる疾患です。手首は肘の筋肉と繋がっていますので、手首を上にあげると肘あたりの筋肉が盛り上がるのが確認いただけると思います。

ここの筋肉を「短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)」と呼び、テニスのフォアハンド・バックハンドを繰り返し行うとこの筋肉と骨をつなげている炎症をおき、テニス肘になります。ちなみに腱と靭帯はよくごっちゃにされてしまうことがありますが、筋肉と骨をつなげるのが腱、骨と骨をつなげているのが靭帯です。

ちなみにこの筋肉はテニス以外でもよく使用され、運送業、料理人、大工など手首を頻繁に使って重いものを引っ張ったり、重い鍋を振り続けるといった職業をされている方にもテニス肘は起こります。

テニス肘の症状は?

この疾患は痛みを感じたら安静にしていれば自然と治癒していきますが、練習を休めばよいテニスと異なり、職業からくる炎症であれば慢性的な酷使が続き、なかなか改善することができません。

症状はじっとしている時にはあまり痛むことはありませんが、テニスのショットを打つ時日常生活でいえばタオルを絞る、ドアノブを捻る、また先ほども出てきたように重たいものを引っ張ったりした時に痛みが走り、症状が悪化するとなにもしていなくてもジンジンと痛んだりといった事が挙げられます。

またこういった筋肉や腱に関わる問題は圧倒的に若い世代よりもお年寄りの世代の方がなりやすいです。その理由は歳を取ることで老化していき、身体全体が硬くなっていくからです。

筋肉という組織はたくさんの筋線維と呼ばれる繊維が集まって形成されており、それが先ほども登場したように集約されて骨と繋がっています。若いころであれば筋肉を酷使することで硬くなり、老化の場合は筋肉が元から硬い状態になります。

すると硬くなった筋肉を使用すると腱を引っ張るチカラ強まりますので、これによって過度の酷使がなくても腱に負担をかけてしまうというわけです。

テニス肘の予防には?

まずは筋肉を柔軟にしてからテニスの練習を始めるようにすると良いでしょう。あるいは職業的に肘を酷使する職業の場合でも同様です。また肘の筋肉は肩や腕の筋肉ともつながっていますので、手首を回したり、上下に曲げたりといったストレッチの他に肘の曲げ伸ばし、そして肩から背中にかけてもストレッチ出来るように前屈、旋回、背面そらし、なども効果的です。

それからせっかくそのようにストレッチを行うのであれば肩甲骨までストレッチするように意識しましょう。普段から座り姿勢が多いデスクワーカーや長距離トラックの運転手さんなどは自分が想像する以上背中の筋肉が凝り固まっているものです。

例えば後ろ手に組んだ状態で肩甲骨の方へ両手を上げ下げする、肩をつかんだ状態で肘を大きく旋回させる、ストレッチ用のゴムやなければバスタオルでも結構ですので、右の場合は右手と左手、左側の場合は左手と右手を使って身体の後ろでタオルをつかんで引っ張るように伸ばす運動なども効果的です。

まとめ

今回は主に手首の使い過ぎによって起こる肘の疾患テニス肘について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、テニス肘に限らず普段から身体の色々な箇所をストレッチすることは肩こりや腰痛になりにくい身体を作ることにつながります。

スポーツをしていても仕事や家事でも、痛みのある生活はそれだけでストレスを発生させ、痛みを大きくしたり、体勢の崩れから他の疾患を併発したりもします。若い時はあまり気にならないかもしれませんが、30代中盤ほどから身体の衰えが始まっていき、ケガが増えるようになっていきますので十分に気を付けましょう。

またもしも、すでに痛みが発生している、きちんとしたストレッチを知りたい、そんな時はお気軽に当院までご相談ください。