産後の不安が引き起こす!?マタニティブルー!

男性には理解できない女性の悩みは多くあります。一般的なものでいえば月経やそれに伴う痛みです、しかし身体的な事で言えば男性よりも女性の方が、骨格が柔らかく出来ており、またそれらをつなぎ留める筋肉量も少なく、年を重ねるごとにそれらに起因する疾患を発症しやすくなります。

例えば膝の痛みなどは変形性膝関節症などが有名です、その他にも骨自体が脆くなってしまう骨粗鬆症関節リウマチなども女性の方が男性よりも多く発症します。あるいは女性のホルモンの変化によって起こる更年期障害老人性膣炎なども挙げることが出来ます。

行き過ぎた男女平等が問題視される昨今ですが、働き方などだけでなくこういった身体的な理解も含めて考えたいものですね。さて、今回のテーマは「出産」に関わるマタニティブルという疾患に焦点を当ててみたいと思います。

この疾患はホルモンバランスの乱れ産後育児への不安などによって情緒不安定になったり、身体的な不調が現れるのが特徴で、特に初産の方に多くみられるものです。それでは詳しく確認してまいりましょう。

 

マタニティブルーの原因

ではマタニティブルーの主な原因についてみていきましょう。マタニティブルーを引き起こす原因は冒頭でもご紹介した通り、ホルモンバランスの変化産後の育児に対する不安などによって引き起こされます。

ホルモンバランスの変化を具体的に説明すると、女性が妊娠するとエストロゲンプロゲストロンという女性ホルモンが多く分泌されるようになります。ちなみに妊娠検査薬はこのホルモンが増加しているか否かで妊娠を判断しています。

これらの女性ホルモンは妊娠初期に一気に増加し、その後、徐々に分泌量は落ち着き、次の工程に移るために必要なホルモンの準備が行われます。出産を皮切りにエストロゲンプロゲストロンは影を潜め、代わりに母乳を出す為プロラクチンと呼ばれるホルモンが分泌されるようになります。

およそ10か月の間にこれだけたくさんの変化が身体に現れるのですから、当然、脳は変化に順応できず混乱してしまい、さらに初めてのお産、その後の子育て、子供の一生を面倒見る不安なども相まって、女性は精神的なプレッシャーを感じ、神経の伝達や自律神経に不調が現れ、不安な気持ちや孤独感が増幅してマタニティブルーに陥ってしまうのです。

また普段から仕事や家事を完璧にこなしたい、細かいことで言えば洗濯物をキチンとたたみたい、など比較的真面目で責任感の強い女性にこの傾向は現れやすいといわれています。

 

産後に起こりやすい病や問題

産後はマタニティブルーだけに限らず色々な問題が夫婦間に起こる可能性があります。

例えばマタニティブルーと同様に不安感イライラ情緒不安定に陥ってしまう「産後うつ」もその一つです。マタニティブルー一過性のもので長くても一週間~10日間ほどで改善していく傾向があるのですが、産後うつは通常のうつ病と同様に原因の根絶や薬品の投与が必要になったりと改善に時間がかかります。

産後うつの原因はマタニティブルーとほとんど同じですが、前述のもの以外でいえば配偶者のフォローが足りない金銭的な不安がある、家庭間のいざこざ、そして子供の夜泣き食事を取らない母乳が出ない、など産後に起きる様々な問題から自分には母親の資格がないのではないか、他の母親はしっかりと出来ているのに自分だけキチンと赤ちゃんの世話ができていない、など自尊感情の低下も相まって発症してしまいます。

女性に起きる月経妊娠・出産・産後育児について「自分は男性だからわからなくて当然」などといった認識を持たれている配偶者の方は、是非、認識を改めていただかないと次にご紹介する産後クライシスになってしまう危険性もあるので注意してください。

産後クライシスとは簡単に言えば、産後のいざこざによる夫婦の離婚です。妊娠が発覚してから10か月間、自分と共に時を過ごして、乳児の胎動を感じて、徐々に母親としての自覚を確立していく女性と異なり、男性は妊娠している実感は湧くものの、それがどのような感じで、どのような問題があるのかよくわかっていません。

結果、生まれた我が子を見て初めて父親であるという自覚を持つのです。つまり出産した段階で女性の方が親として約1年先輩であるともいえます、ですから男性は突然のわが子の出現に戸惑い、何をしたらよいかわからず先輩(母親)の指示を待つだけの存在になってしまいます。

女性にとって、仕事は出来るかもしれないが、育児に関して全く役に立ってくれない、自分を理解できないなど、今後この人と育児していくことは出来ないかもしれないと感じた場合、パートナーに頼り難く、結果として夫婦仲が冷めきって離婚してしまうのです。

自分で理解できないからこそ、キチンとした知識を持ち、産後の母親をフォローできる男性が増えるといいですね。

 

まとめ

今回は妊娠~産後に渡る女性の身体に起きる変化や、それに付随して起こるマタニティブルーについて記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、本来、誰もが喜び祝福してくれる子供の存在は、時に母親を苦しめる引き金になってしまうことがあります。

愛があるのは当然、しかし、愛がゆえに不安になったり、孤独感を感じたり、心配になってしまうものです。ですから金銭的な援助だけに留まらず母親の不安や心配をぬぐい取ってあげられる家庭環境作りがとても大切です。

特に始めて父親となる方々は産後の育児だけでなく、パートナーの心境に気を使ってあげることを忘れないようにしましょう。